「秋雷(あきかみなり)」という言葉があるように、秋も雷には油断できません。夏を過ぎて安心している人も多いかもしれませんが、急な雷雨で家電が壊れてしまう被害は、実は秋にも多く発生しています。
雷が家やその近くに落ちると、電線やアンテナ線などを通じて瞬間的に異常な高電圧(雷サージ)が流れ込み、大切なテレビやパソコン、エアコンの基盤を一気に故障させてしまうのです。
「まだ使えるから」と対策を怠っていると、何十万円もの修理・買い替え費用を無駄にすることになりかねません!今回は、そんな「見えない敵」雷サージから家電を守るための決定版対策を詳しく解説します。

1. 対策の基本!最も確実なアナログ対策
雷が鳴り始めたら、まず行うべきはこれです。費用はかかりませんが、最も確実な方法です。
① コンセントやケーブルを抜く!
雷サージは、家電につながっている全ての線から侵入してきます。面倒でも、雷が鳴ったら以下のものを全て一気に抜くのが一番です。
- 電源コード(コンセント)
- テレビのアンテナケーブル
- パソコンやルーターのLANケーブル
- 電話線
これらを抜けば、雷サージの通り道が断たれますので、家電が壊れることはほぼありません。特にテレビやパソコンは、アンテナやLANケーブルから侵入して壊れるケースも多いため、忘れずに抜きましょう。
2. 「抜くのが面倒くさい」を解決!雷ガードの選び方
とはいえ、毎回ケーブルを抜くのは大変ですよね。そんなときは、雷サージを防ぐ機能がついた便利なアイテムを活用しましょう。
② 「雷ガード付き電源タップ」でサージ侵入を防ぐ!
これが最も手軽で一般的な対策です。雷サージを感知したら、家電へ流れる前に電気をアースへ逃がしてくれる機能がついている電源タップです。
- 選ぶポイント: 「最大サージ電圧」と「制限電圧」をチェックしましょう。
- 最大サージ電圧が高いもの: より強力な雷に対応できます。(例:12,500Vや20,000Vなど)
- 制限電圧が低いもの: 家電に流れる電圧をより低いレベルに抑えられます。(例:400V以下など)
- 注意点: 電源コンセントだけでなく、テレビ用アンテナ線やLANポートにも雷ガード機能がついたタイプを選ぶと、より安心です。全ての侵入経路を塞ぐことが大切です。
キャプション:電源だけでなく、アンテナ線やLANケーブル用の差し込み口がついた多機能タイプを選ぶと安心感が格段に増します。
③ エアコンや冷蔵庫は「壁のコンセント」に直付け型を
テレビやパソコンは電源タップで対策できますが、常時電源を入れておくエアコンや冷蔵庫は、そうはいきません。
- 対策: エアコンや冷蔵庫専用のコンセントに直接差し込むタイプの**「雷サージプロテクター」**を設置します。これは壁のコンセントと家電の間に挟む形になります。
- ポイント: これらの家電は高価で修理も大変なため、専門業者に相談して、家庭の分電盤全体に雷サージ対策(SPD:サージ防護デバイス)を施すのが、究極の安心策です。
3. 見落としがちだけど重要!その他の秋の家電ケア
雷対策以外にも、秋にしておきたい家電のケアがあります。
④ 夏の酷使で疲れたエアコンの「お掃除」
猛暑でフル稼働したエアコンは、内部にホコリやカビが溜まっています。そのまま放っておくと、冬に暖房を使った時に汚れた空気が部屋中に広がり、効率も落ちて電気代も高くなってしまいます。
- 対策: フィルターの掃除はもちろん、内部の熱交換器も専用のスプレーなどで綺麗にするか、プロにクリーニングを依頼しましょう。暖房シーズンに入る前のこの時期がベストです。
⑤ 秋の乾燥に備える「加湿器の準備」
乾燥が本格化する前に、昨シーズン使った加湿器のメンテナンスを行いましょう。
- 対策: タンクやフィルターにカビや水垢が残っていないかチェックし、徹底的に掃除します。汚れた加湿器を使うと、カビや雑菌を部屋中にまき散らすことになってしまいます!
まとめ:賢い対策で秋の夜長も安心です
秋の雷は油断大敵です。しかし、雷ガード付きタップを導入したり、最低限の「抜く」作業をするだけで、大切な家電を破壊から守ることができます。
快適で安全な秋の生活を送るために、今日からできる対策を始めてみましょう!
参照先・根拠データ
- 出典:経済産業省、電力会社、各家電メーカーの雷サージ対策に関する公開情報より作成。
- 雷サージプロテクターの性能値(最大サージ電圧、制限電圧)は、製品選びの一般的な基準を示しています。